ワールド王修会が目指すもの

沖縄は空手の発祥の地であり、琉球古来、先人より脈々と受け継がれてきた伝統空手古武道は唯一無二の伝統文化遺産として今や世界に広く普及しております。その中で、私共は沖縄伝統空手道古武道を伝統歴史遺産として継承し、その類い稀なる文化が今後、沖縄の国際交流を活発化させ、世界に沖縄の存在価値を見出す上で、非常に有効的な手段の一つと考えております。

私は約40年前、志を掲げ、単身ヨーロッパに渡り、1979年フランスにて「ワールド王修会」を発足いたしました。

その志は今なお、冷めることなく継続発信し続けております。その想いは今や世界中に伝播しており、現在ではヨーロッパを中心に南米、カナダ、アフリカ等など・・・約30数ヶ国、計6,000名の会員からなる大きな国際ネットワークに成長する団体となりました。

沖縄伝統空手道古武道の原理原則にある和の精神「人に打たず、人に打たれず」の忍びの修業法は、強靭な人間輩出に役立ち、異文化の中でもひときわ光を放つ、価値のある沖縄武道思想こそ称賛に値する文化であり、厳しい国際環境の変化にも対応することができる人材の育成が可能であると確信しております。

また、これからは、国境という概念が無くなってくると考えております。そうした状況下で、先人が育んだ伝統文化を最大の誇りとし、他国と友好的交流を進め、平和へ導けるグローバルに通用する人財を修業の場を通じて育成・成長させていくことが、私共ワールド王修会が目指すところであります。

自らの伝統文化により、人間成長に日々精進し、世界に通用する人財を育成輩出する。これらの想いを実現すべく、空手発祥の聖地、ここ沖縄にて総本部を発足することを決意を致しました。

最後に、沖縄伝統空手道古武道の歴史継承を普及発展させつつも時代を先取りし、人間の為の空手道・古武道を保持し、会員一人一人が賢い社会人の一員として役立つ事を念願とした王修会でありたいと願うものであります。

ワールド王修会の三指針

ワールド王修会は活動指針を明確にするために「鍛錬」「究道」「調和」の三指針を掲げ日夜精進しています。

鍛練とは厳しい稽古を積み、心身を強く鍛えることである。稽古の「稽」は考えるという意味で「稽古」の原義は「古(いにしえ)を考える」「昔のことを知り、今すべきことは何かを知る」である。

その稽古を続けることで心も身体も鍛え上げられることとなる。稽古中の心は身体に影響を及ぼし、また身体も心に影響を与える。心と身体はお互いに関連作用を起こし、両者は常に同居しているようなものである。

心も身体も、同じ動作を何度も繰り返し、練り上げていく事が肝要である。技法を媒介に心身を共に鍛え練り上げる、勇気ある不動の心をもつ人間像を目指すのが鍛練行である。

沖縄の伝統空手道古武道は、型に象徴されるように受けも攻めも常に前進である。その姿勢そのものが伝統空手道古武道の持つ思想であり哲学とも言える。

闘う精神とは、技法の捌き(受け)も後退ではなく前進であり、負けない引かない心の強さは勝利の鉄則である。いついかなる時も絶えず前進し、向上しようとする道を探究する姿勢こそ「究道」の意味するものである。

言うなれば、伝統空手道古武道に限らず、物事はポジティブに考える事が、自分の勝利を呼び寄せる要因ではないだろうか。

 

 

人間は調和のとれた生き物だと思う。上下左右のバランスがとれ、その機能たるや素晴らしいものである。

その人間が残した空手の型もまた、前後左右を軸に、副線が加わり実に調和のとれた仕組みで構成されている。

沖縄の伝統空手は型が最も重視されている。その型の組み合わせや演武線の中に調和を見ることができる。

私達の生活の営みに付言しても、全て調和と不調和の関係で成り立っていると言えるかもしれない。

空手を介し、自己自身の調和、相手との調和、環境との調和を学び、心身共に安定し調和のとれた人間になりたいものである。